固定資産税を軽減させる為にやっておくべき軽減措置の全手順

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固定資産税を軽減させる為にやっておくべき軽減措置の全手順

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固定資産税を軽減するには、3つの方法があります。ひとつは「固定資産税を正しく評価出来る知識を持つこと」2つ目は「固定資産税の軽減措置を正しく知っておくこと」そして3つ目は「固定資産税の評価をする市町村にミスがないかを調べること」です。
 
固定資産税にかかる税率は標準課税に対して大体1.4%と全国一律ですので、ここで税金を減らすことはできません。つまり、軽減措置を有効に活用し、課税のミスを見つけて是正するのが最も賢い方法かと思います。
 
役所の人間が行っている仕事で課税ミスなんてあるのかと思われるかもしれませんが、総務省による過去の調査結果では、97%の市町村で39万人以上の課税ミスが発覚しているという事実があります。
(※詳しくは後述の「市町村による土地と建物の課税ミスを正す」で解説)
 
課税のミスは正さなければいけないとして、固定資産税の軽減には軽減措置の知識を知っておくし必要もありますので、今回は固定資産税を軽減する為の知識をご紹介していこうと思います。

 

なお、不動産を相続したばかりの人のために【不動産の相続税の計算方法と節税のための全手法】という内容でも記事をまとめておりますのでこちらも是非参考にしてみてください。

 


【目次】
固定資産税を正しく評価することが軽減につながる
固定資産税を軽減させる為の軽減措置一覧
住宅用地の軽減措置
新築住宅に対する軽減措置
耐震建て替えに関する軽減措置
耐震回収に関する軽減措置
バリアフリーに関する軽減措置
省エネ改修工事に関する軽減措置
空き家に関する減免規定もある
市町村による土地と建物の課税ミスを正す
自宅の固定資産税を調べて固定資産税が適正かどうかを判断する
土地の課税ミスがないか確認する
建物の課税ミスがないか確認する
固定資産税を軽減させる還付の方法
評価額審査の申し出を行う
交渉のポイントは書面によって行うこと
まとめ

固定資産税を正しく評価することが軽減につながる

まずは固定資産税を正しく評価するところから始まりますが、「固定資産税は何に対してかかるのか?」という部分から押さえていこうと思います。
 

固定資産税は何に対してかかるのか?

そもそも固定資産税とは、1月1日時点で土地や建物を所有している人に課せられる地方税のことです。1月1日の時点における土地の価格や建物の価格が算出され、そこに一定の税率が課せられ納税するものになります。
 

納税の義務がある人

毎年1月1日(賦課期日)現在の土地、家屋又は償却資産の所有者として、固定資産課税台帳に登録されている方。
 

固定資産税の計算方法|標準課税を正しく知る

土地の価格は路線価に基づいて、土地の形状や接道状況などで課税標準額を算出します。路線価自体は実勢価格の80%程度ですが、更地の場合は税の軽減措置はないことに注意しましょう。
 
固定資産税】税額=課税標準 × 1.4%(標準税率)
都市計画税】税額=課税標準 × 最高0.3%
※都市計画税は毎年都市計画区域内にある土地や建物の所有者に対する税金
 
土地や建物の価格は毎年変動しますが、課税事務の簡素化や徴税コストを抑えるために3年に1回のみなしとなっています。
 
また、「土地に対する軽減措置」で詳しくお話ししますが、土地に住宅が建築されてはじめて、課税標準の軽減が適用されるという点もポイントです。
 

固定資産税は自分で動かないと軽減されない

固定資産税は黙っていても土地や建物を持っていればかかりますが、課税の評価は自治体があなたの不動産を独自に調べて評価行うという方式になっています。
 
つまり、自治体の評価や計算方法に誤りがあった場合、課税のミスを発見できなければ高い税金を払い続けてしまう可能性があります。冒頭でもお話ししましたが、平成21年~23年の間に1592市町村の内97%の市町村で39万人以上の課税ミスが発覚しています。
 
固定資産税を軽減するには、自分の不動産の評価や税金の正しい計算を行い、誤りがないかどうかを確認することで、5年~20年分までの還付と利息も受けることもできます。
 
詳しくは「市町村による土地と建物の課税ミスを正す」をご覧ください。
 
 

固定資産税を軽減させる為の軽減措置一覧

固定資産税を減らす方法のひとつは、軽減税率の優遇措置を受けることです。これが最もかんたんかもしれません。固定資産税の税率が一律である以上、軽減税率の優遇措置を受けることが、固定資産税を減らす大きなポイントになりますので、どのような優遇措置があるのか見ていきましょう。
 

住宅用地の軽減措置

住宅建築用の土地に関しては「住宅用地の特例」というものがあり、以下のように課税標準が軽減される。
 

小規模住宅用地(200m2以下の部分)・・・課税標準 × 1/6
一般住宅用地(200m2超の部分)・・・課税標準 × 1/3

※ただし、建物の課税床面積の10倍が上限
 
つまり、土地面積が200m2以下の住宅用地なら、

土地の課税標準額 × 1/6 × 税率(1.4%)=土地の固定資産税額

となります。
 

特例

税金の種類

内容

小規模住宅用地

固定資産税

200m2まで:土地評価1/6

都市計画税

200m2まで:土地評価1/3

一般住宅用地

固定資産税

土地評価:1/3(建物の延床面積の10倍まで)

都市計画税

土地評価が2/3(建物の延床面積の10倍まで)

 
ちなみに、「住宅」には老人ホームや社員寮なども「住宅」に含まれ、店舗兼自宅だったり、テナントとレジデンスの併用ビル・マンションなどの併用住宅は、住宅部分の割合によって住宅用地率が変わりますので注意が必要です。
 

併用住宅の種類

住宅部分の割合

住宅用地率

地上5階以上、耐火建築物の併用住宅

1/4以上~1/2未満

0.5

1/2以上~3/4未満

0.75

3/4以上

上記以外の併用住宅

1/4以上~1/2未満

0.5

1/2以上

 
 

新築住宅に対する軽減措置

もし建物が新築だった場合、課税床面積が120m2まで(床面積50m2以上280m2以下)は、固定資産税額が3年間または5年間1/2になります。
 

3階建以上の耐火構造・準耐火構造住宅・・・新築後5年間
一般の住宅(上記以外)・・・新築後3年間
専用住宅・店舗併用住宅(店舗併用住宅の場合、居住用部分が1/2以上)
居住部分の課税床面積が一戸につき50m2以上280m2以下であること。

(貸家住宅の場合一戸につき40m2以上280m2以下)
 

住宅

戸建て住宅

3年間1/2に減額

マンション(※1)

5年間1/2に減額

土地

住宅用地

200㎡までの部分について評価額 × 1/6

※平成30年3月31日まで新築の場合
※1:3階建て以上の耐火・準耐火建築物

 
つまり、建物の課税床面積が120m2以下なら、

建物の課税標準額×税率(1.4%)÷1/2=建物の固定資産税額

になります。
 

長期優良住宅の場合5年または7年度分

平成21年6月4日に「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が施行され、耐震性や耐久性といった一定の基準を満たしている長期優良住宅に認定されていれば、新たに課税される年度から5年度分に限り、120平方メートルまでの居住部分に相当する固定資産税額(家屋分)が2分の1軽減され、3階建以上かつ耐火・準耐火建築物の場合には7年度分まで認められます。
 
3階建以上の木造建築に関しては、「建築確認申請書のコピー」や「検査済証のコピー」「建築住宅性能評価書のコピー」など、別途該当する書類を提出する必要があるケースが多いので、地域の管轄する税務局に問い合わせましょう。
 

耐震建て替えに関する軽減措置

昭和57年1月1日以前からある家屋を取り壊して耐震改修を施した家屋に対して、平成30年12月31日までに新築した場合は、新築後から新たに課税される年度から3年間度が全額減免になります。
 

耐震改修に関する軽減措置

耐震建て替えに関する軽減措置に付随する形になりますが、平成27年12月31日までの間に耐震化改修を行った住宅についても、住宅1戸あたり120平米の床面積相当分まで1年間の減免が受けられます。
 

バリアフリーに関する軽減措置

平成19年1月1日以前からある住宅で、平成28年3月31日までに一定の要件に該当するバリアフリー化工事を行った場合、固定資産税は改修工事完了年の翌年度分から、床面積100平米相当まで1/3に減額されます。
 

省エネ改修工事に関する軽減措置

これはあまり知られていませんが、平成30年3月31日までの間に、二重サッシ化、複層ガラス化などの窓に対する断熱改修工事と併せて、床に対する断熱改修、天井断熱改修、壁の断熱改修を行った場合、改修工事完了年の翌年度分の固定資産税額が床面積120平米相当まで1/3に減額されます。
 
ただ、改修工事費用が50万円を超でないと適用されず、耐震改修をしていた場合の減額措置とは併用できませんので注意が必要です。しかし、バリアフリーの軽減措置との併用は可能です。
 

必要な手続き

改修完了後3カ月以内に「固定資産税減額申告書」を記入の上、「熱損失防止改修工事証明書」などの一定の省エネ改修工事である旨を証明する書類を添付して申告します。
 

空き家に関する減免規定もある

平成27年2月26日に空家等対策の推進に関する特別措置法が施行され、以下のような空家に該当すれば、小規模住宅用地であれば1/6減免、一般住宅用地であれば1/3減免になります。
 

  • ・倒壊等、著しく保安上危険となる恐れがある状態

  • ・著しく衛生上有害となる状態

  • ・適切な管理が行われずに景観を損なった状態

  • ・周辺の生活環境の保全のために放置することが不適切な状態

 

危険な空き家は減税の対象外になる

ただ、平成27年度税制改正で

「市町村長が特定空家等の所有者等に対して周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告した場合は、当該特定空家等に係る敷地について固定資産税等の住宅用地特例の対象から除外する」

という規定に引っかかると固定資産税の減免対象からはずれてしまい、小規模住宅用地は6倍、一般住宅用地は3倍に増えてしまうので注意が必要です。
 

整地費100%助成などの支援策を行っている自治体もある

空き家の所有者にとっては負担の増加にしかならないと感じるかもしれませんが、東京都の荒川区では、

1981年5月31日以前に建築された木造建築物といった条件に当てはまる建物を除去する場合は、その後5年間の土地の固定資産税・都市計画税を80%減免する

などの支援を行っていますので、自分の句がそう言った対策をしていないかを確認しておくのも良いかと思います。

 

市町村による土地と建物の課税ミスを正す

さて、固定資産税を軽減するもう一つの方法として、土地や建物の評価ミスを是正することが挙げられます。
 

自宅の固定資産税を調べて固定資産税が適正かどうかを判断する

固定資産税が適正かどうかを判断するには、毎年4月1日に自治体から送られてくる「課税明細書」という書類を確認してみましょう。この書類に固定資産税の金額や土地・家屋の価格、課税標準額が記載されています。
 
書式は市区町村ごとに違いはありますが、その書類に住宅の軽減額が差し引かれ、当該年の年税額が示されているはずです。万が一紛失した場合、市役所などの自治体で取得できる「名寄帳(なよせちょう)」という資料で内容を確認できます。
 

課税明細書の見方

東京都主税局のホームページに、平成28年度の「固定資産税・都市計画税 課税明細書」のサンプルがありましたので、参考にしていただくと良いかもしれません。
 

土地の課税ミスがないか確認する

土地の課税ミスを確認するには、まず住宅用地の軽減特例の適用がされているかをチェックすることから始まります。土地の課税ミスの多くが、この軽減特例の不適用により発生しています。
 

特例

税金の種類

内容

小規模住宅用地

固定資産税

200m2まで:土地評価1/6

都市計画税

200m2まで:土地評価1/3

一般住宅用地

固定資産税

土地評価:1/3(建物の延床面積の10倍まで)

都市計画税

土地評価が2/3(建物の延床面積の10倍まで)

 
上記の表を参考にしながら、計算していくことになりますが、かんたんな例もご紹介していきます。
 

例1:土地300・建物200㎡:自宅の場合

固定資産税:200㎡までは1/6、残り100㎡が1/3
都市計画税:200㎡までは1/3、残り100㎡が2/3
 

例2:土地1000㎡・建物200㎡:自宅の場合

固定資産税:200㎡まで1/6、残り800㎡が1/3
都市計画税:200㎡まで1/3、残り800㎡が2/3
 

例3:土地2000㎡・建物100㎡:自宅の場合

固定資産税:200㎡まで1/6、残り1800㎡の内800㎡まで1/3
都市計画税:200㎡まで1/3、残り1800㎡の内800㎡まで2/3
 
もし、自宅やアパート・マンションの住宅用地なのに、「価格(評価額)」と「課税標準額」が同じ金額になっている場合は、課税ミスであると言えます。住宅用地の軽減特例が適用されているかどうかチェックしてみましょう。

 

建物の課税ミスがないか確認する

1:登記上の面積と課税明細上の床面積を比較してみる

ますは法務局に出向いて、自宅の登記事項証明書を取得してみましょう。1通600円かかりますが、この登記上の床面積、課税明細(名寄帳)上の床面積を比較し、課税明細(名寄帳)上の床面積の方が大きい場合は、固定資産税を払い過ぎている可能性があります。
 

2:周辺の建物と比較してミスの有無を推測

もし、周辺建物の固定資産税額を知っているなら、不動産の固定資産税を自分のものと比較することで課税ミスを発見できるケースがあります。ご近所の方に直接固定資産税を聞いても良いですし、総覧帳簿(そうらんちょうぼ)の閲覧制度が利用できれば、周辺建物の固定資産税額を調べることが可能です。
 
周辺の建物と比較した結果、自分の固定資産税が高いと感じた方は課税ミスの可能性を疑っても良いでしょう。
 

・比較方法
  1. 1:自分の建物の評価額を床面積で割って平方メートル単価で算出

  2. 2:建物評価が500万円で100㎡の床面積であれば5万円/m2となる筈です。

  3. 3:近所の建物のm2単価も同様に算出して自分のm2単価と比較

 
この時、一見同じ大きさの建物なのにm2単価で大きな差が出たある場合は、過大評価されている可能性があります。
 
 

固定資産税を軽減させる還付の方法

もし、固定資産税の評価に疑問を持った場合は、市区町村役場に問い合わせるなどして、早いうちに問題を解決するようにしましょう。
 

評価額審査の申し出を行う

土地や建物の評価額に不満がある場合は、納税通知書の交付を受けた日の翌日から60日以内に審査の申し出を行いましょう。それぞれの市町村先で審査申出での方法が異なるようですので、下記では東京都のケースを参考にご紹介していきます。
 


図参照:固定資産課税台帳に登録された価格に関する審査の申出について

審査の申出が出来る人

固定資産税の納税者(賦課期日(1月1日)現在、固定資産を所有する方)又は相続人並びに代理人のみ。また、代理人が申出をする場合は「委任状」に納税者の住所・氏名、代理人に審査の申出に係る権限を委任する旨、代理人の住所・氏名、委任日を明記し、納税者が押印の上、審査申出書に添付します。
▶︎委任状の記入例(PDF:122KB)
 

審査の申し出が出来る内容

固定資産課税台帳に登録された価格(評価額)に限られます、価格以外の課税の内容(非課税、減免、住宅用地の認定に関する内容)に不服がある場合は、行政不服審査法に基づく審査請求を知事にすることになります。
 

不服申立ての種別

不服の内容

不服申立て先

審査の申出

固定資産課税台帳に登録された価格(評価額)

東京都固定資産評価審査委員会

審査請求

価格以外(非課税、減免、住宅用地の認定に関すること等)

東京都知事

 

審査の申し出が出来る期間

固定資産課税台帳に価格(評価額)等を登録した旨の公示の日(東京都の特別区の区域に所在する固定資産については、平成28年度においては平成28年4月1日)から、納税通知書を受け取った日後3か月を経過する日までの間(東京都の特別区の区域に所在する固定資産については、例年6月初めに納税通知書が発送されるため、期限は9月初旬となります。

 

申し出の方法

「審査申出書(正・副・控)」を委員会事務局か、固定資産が所在する区を管轄する都税事務所に提出します。郵送の場合は消印の日付が上記の期間内。委員会は、審査申出書を受付後、受領印を押印した控を返却します。審査申出書の様式は「こちら」からダウンロードするか、委員会事務局または各都税事務所で入手できます。
 
より詳しい内容は「東京都主税局|固定資産課税台帳に登録された価格に関する審査の申出について」をご覧ください。
 

交渉のポイントは書面によって行うこと

行政側と交渉する際に注意しておきたいのは、「●●することになっています。」「~〜という決まりです。」といった回答で一蹴しようとするケースがあるという点です。もし、こういった対応をされた場合は、「今ご説明された内容の根拠となる法律や条例の該当箇所を教えてください。」と伝えてみましょう。
 
その上で、「今の内容を書面で回答して下さい。この後専門家に相談しに行きます。」と要求してみましょう。行政側の主張をメモにとり、できれば行政側の担当者の署名や名前を貰っておきましょう。
 
とにかく紙で証拠を残すことが大切ですので、会話を録音したり、書面で回答をもらうなどして、動かぬ証拠を残すことが大切です。

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか。
 
固定資産税の軽減をする方法は以上になりますが、特に最後の行政側とのやりとりやミスを探す方法に関しては、税理士などの専門家に頼むのが一番楽ですしスピードも早くなりますので、一度相談に行かれることをおすすめします。

 

編集部

本記事は相続税相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続税相談ナビに掲載される記事は税理士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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