相続税調査のスケジュールと調査されない為の申告書の書き方

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相続税コラム

相続税調査のスケジュールと調査されない為の申告書の書き方

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税務調査と聞いて気分が良い人はいないでしょうし、そう感じるのも“相続税の調査でどのようなことを行うのかがイメージできない”のですから無理はありません。
 
税務調査はテレビや映画で見るような「ガサ入れ」のようなものであると誤解されている人も少なくありませんが、実際は、慎重に行われる相続税の確認作業のようなものです。とは言え時間も労力も費やすものであることに変わりはないので、受けずに済むのであればそれに越したことはありません。
 
意図的に相続税の申告偽装を行ったような場合は論外ですが、申告書を書く際に少し気をつければ、調査を回避できるケースがほとんどです。
 
本記事では税務調査の内容を記載した上で、調査対象とならないための申告書の書き方を解説していきます。
 
 
【目次】
相続税の税務調査の日程と期間
強制捜査と任意捜査がある
相続税の申告から調査に入るまでの期間
調査期間は人によって異なる
申告漏れがあると加算税と延滞税がかかる
申告書に不備や申告漏れがあると調査の対象になる
相続税の税務調査で指摘されやすい3つのポイント
調査当日に心がけるべき4つの対応
まとめ
 
 
 

相続税の税務調査の日程と期間

税務署は長い時間をかけて資料を蓄積し、その上で細かく事前準備を行った上で調査に臨みます。相続人が遺産を隠そうとする意図がなくても、相続人が故人の財産の詳細を完璧に把握し、さらに相続人と税務署の見解が合致しない限り、是認とはなりません。それでは、相続税の調査はいつ、どれくらいの期間内で行われるのでしょうか?以下で解説していきます。
 
 

強制捜査と任意捜査がある

相続税の調査は以下のように区分して行われます。
 

強制操作

いわゆる「マルサ」による調査で、操作令状のもとに国税局査察部の査察官が行う調査です。
 

任意捜査(反面調査)

原則として申告内容についての確認といわれる通常の調査で、事前に予定日等を通知してくるものです。
 
いずれも税法で定められている質問検査権をもって調査をするので断れませんし、神経を使って応対せねばなりません。
 
 

相続税の申告から調査に入るまでの期間

相続税の申告書を提出し、納税が完了し、不動産や預金の名義変更が終了しても、全てが終わったわけではありません。調査が行われるのは申告期限後から3年以内の9月~12月が全体の大半を占めています。また、法人や個人の確定申告が集中する2月~6月までは税務署が一番忙しい時期となり、その時期の調査はあまりないと言われています。
 
 

調査期間は人によって異なる

調査の期間は、とくに定められているわけではありません。
 
予告される調査は、税務署の責任者と税理士が日程の都合のつく日にするのが一般的で、任意調査の場合は、2人以上の調査員によって早ければ3時間程度で終了します。しかし、複雑で調査困難な場合には、1ヶ月以上に及ぶ場合もあります。用意した資料に疑いが生じるか否か、また、事前に資料が用意されているかどうかでも所要時間は異なります。
 
調査を展開して、目途がついた場合には、顧問税理士及び相続人代表に対して調査結果と疑問点を提示されます。
 
 

調査の流れ

実際に、相続税の調査はどのような流れで行われているのかを見ていきましょう。
 
 

①連絡が入る


調査官の調査着手予定日の、約1週間から10日前日程調整の電話があります。
 
 

②相続人の立会


相続人全員に、調査の際の立会を求められることがあります。もしも追加で税金が発生する場合には、それぞれの相続人の支払額が発生してくるため、必ず全員に連絡を取り、立ち会わなければなりません。
 
 

③現物確認調査


基本的には、相続財産がどのような状態で保管されているのかを確認するため、自宅内の状況を確認します。また、被相続人の生前の活動状況を知るために度々質問を受けることになります。
 
 

④修正申告


調査結果の提示を受けて、もし申告漏れ財産があった場合には、修正申告を行います。
 
修正申告は「修正申告書」という専用の用紙で行いますが、記入する内容そのものは普通の確定申告書とほとんど変わりません。税務署から指摘される前に自主的に修正申告をすれば、ペナルティは延滞税のみで済みます。また、修正申告書の提出は、相続人全員の了解が必要になります。
 

調査の結果、相続税の申告書に記載されていた相続税額が正しいことが証明された場合には、その時点で相続税の税務調査は終了となります。税務調査の終了は、通常口頭により行われます。(口頭ではなく「調査結果についてのお知らせ」という書面を発行する場合もあります。)

 
調査の結果、相続財産から申告漏れと考えられる事項及びその金額について調査官から提示され、それに基づき税理士は、相続人と指摘事項に対する認否の検討をすることになります。加算税・延滞税を払うようなことがあれば、こちらもすみやかに対応せねばなりません。加算税と延滞税に関しては以下で詳細を記載していきます。
 
 

申告漏れがあると加算税と延滞税がかかる

加算税と延滞税は、税務調査で指摘されて修正申告をしたり、更正処分を受けたことにより追加納税したりする場合に、税務署から課税される罰金のことです。
 
申告は期限やルールを守り速やかに実施しましょう。また、誤りが見つかり修正が必要になった場合には自主的に修正することで、以下の加算税・延滞税を最小限に抑えましょう。
 
 

不納付加算税

不納付加算税は、源泉所得税が期限内に納められず納税の告知を受けた場合、あるいは期限後に納付した場合に課されます。
 
原則として、追加本税×10%ですが、正当な理由がある場合や、期限から一ヶ月を経過する日までに納付されており、その期限の属する月の前月末日から1年以内に期限が到来する源泉徴収による国税について納税告知を受けたことがなく、また期限後に自主納付したこともない場合には、不納付加算税は免除されます。また、調査によるものではなく、自主的に納付した場合には、計算税率が10%ではなく5%になります。
 
 

重加算税

重加算税は、上記3つの加算税が課される場合に該当し、隠ぺいや仮装により申告している場合には、上記3つの加算税に代えて課される附帯税です。
 
・過少申告加算税に代えて課される場合:35%
・無申告加算税に代えて課される場合:40%
・不納付加算税に代えて課される場合:35%
 
重加算税の取扱いについては、税目ごとに「重加算税の取扱いについて」等として公表されており、税目ごとの特色に応じて多少の差異があります。
 
 

延滞税

税金が期限までに納付されない場合には、原則として期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が自動的に課されます。 延滞税の計算方法は以下のとおりです。
 
①法定納期限の翌日から2か月を経過する日(または完納の日)まで
納付すべき本税額(1万円未満切捨)×延滞税割合※1×日数

 

  • ※1 年7.3%と特定基準割合+1%のいずれか低い割合。ちなみに、平成27年1月1日から平成27年12月31日までは、年2.8%です。

 
②2か月を経過する日から完納の日まで
納付すべき本税額(1万円未満切捨)×延滞税割合※2×日数

 

  • ※2 平成26年1月1日以後は、年14.6%と特定基準割合+7.3%のいずれか低い割合。平成27年1月1日から平成27年12月31日までは、年9.1%です。

 
申告書を提出してから1年以上経過後に修正申告または更正があった場合、延滞税の計算は法定申告期限または申告書提出日の翌日から1年を経過する日の翌日を起算日として修正申告書を提出した日までその計算期間から除かれることとされています。つまり、修正申告と同時に追加納税額を納付する場合には実質的には1年分のみの延滞税が課されます。
 
ただし、不正行為があった場合には総期間に対する延滞税が計算されますので、一般的に、重加算税が課される場合には延滞税は総期間で計算されることが多いです。
 
また、延滞税は、災害による期限延長をした場合や納税猶予をした場合、税務署長等の裁量により免除されることがあります。ちなみに、加算税が5,000円未満の場合や、延滞税が1,000円未満の場合は、納付義務はありません。
 
 

申告書に不備や申告漏れがあると調査の対象になる

相続税の申告をした人のうち、4人に1人が税務調査を受けていると言われています。(情報元リンク:「国税庁」)
 
その理由は、「申告の際に不備や申告漏れがあった」という理由が圧倒的に多くあります。裏を返せば、申告書に不備や申告漏れさえなければ、調査の対象になる可能性はぐっと低くなります。ここでは、調査の対象にならないための知識として、「税務調査に来られるリスクのある申告書不備」に関してまとめました。
 
 
①銀行残高証明書が添付されていない。

②被相続人の死亡数年前に不動産の譲渡収入があったにも関わらず、その税引き後の収入が相続財産に反映されていない。

③死亡前の確定申告で、家賃収入、地代収入、駐車場収入があったにも関わらず、該当する土地や家屋が相続財産に含まれていない。

④死亡前の確定申告で、退職所得、配当所得があったにも関わらず、該当する金融資産、株式が相続財産に含まれていない。

⑤被相続人が同族会社を経営していたにも関わらず、取引相場のない株式等の申告額が少ない。

⑥所得金額が2、000万円超の人に提出するように要求される「財産・債務の明細書」に記載されていながら、その財産、債務が相続申告に反映されていない。

⑦郵便貯金、定額貯金、簡易保険等の財産が、相続財産に含まれていない。

⑧債務控除として多額の借入金や未払金を申告しておきながら、それに見合う財産が申告に含まれていない。

⑨葬式費用として控除した金額が高額であるにも関わらず、その人の社会的地位や職業等から判断して申告した財産が少ない。

⑩相続財産の中に金融資産が少ないにも関わらず、高額な相続税を現金で一括納付している。

⑪申告書が連名で提出されていない・一部の相続人の印鑑が押印されていない。

⑫土地の評価の際に適用を受けられる小規模宅地等の減額金額に関する特定居住居用宅地等や、特定事業用宅地等に該当する場合等、相続税法上の特例の適用を受けているにも関わらず、添付書類がない、または少ない。

 
 
上記に当てはまるものがひとつでもあると、調査対象となってしまうリスクが高まりますので、要注意です。

 

相続税の税務調査で指摘されやすい3つのポイント

調査中にはあらゆるチェックを受けながら質問をされます。どのようなポイントに指摘が集まりやすい傾向にあるのか、以下にまとめました。
 
 

被相続人の預貯金

死亡直前から3年~5年間で、預貯金から一度に50万円以上の金額が引き出されている場合には、その使い道を質問されることがありますが、これは、お金を引き出して隠し預金に入金しているのではないか、あるいは本人以外の名義預金になっていないか、などを確認するために質問しています。
 
また、もし高額な不動産を売却している場合には金額が多額であることから、約20年前までさかのぼり、売却代金の行方を調査されることもあります。
 
 

被相続人の生命保険

夫が被相続人と仮定すると、契約が本人名義ではなく妻や子供たちが契約者で、保険料を負担しているのが被相続人である保険が調査されます。その理由は、保険料を負担している人が実態として契約者であるため、被相続人の死亡をきっかけとして取得する生命保険金が相続税の課税対象となるからです。
 
 

家族名義の預金

名義預金とは、預金の名義となっている人と実質的にその預貯金の所有者が異なる預金のことを指します。例えば、子供名義で、父が預金をし、父が自由に入出金できたとすると、この口座は子供名義ではありますが、実態としては父名義の預金なので、父が死亡した場合には子供名義の預金も父の相続財産として課税されます。
 
単に家族の名義を借りた預金は被相続人の相続財産とされてしまい、相続財産に含めて相続税の申告を行わなければならなくなります。
 
 

調査当日に心がけるべき4つの対応

税務調査を受けることになった場合、対応次第で結果が変わるわけではありませんが、早期に満足できる結果を得るために必要な知識としてここにまとめました。
 
 

代表者が応対

税理士や経理担当者が立ち会っているからと安心せず、やむを得ない理由が発生しない限り応対はすべきです。
 
 

覚えていない、あるいは忘れた事項についての質問には後日回答する

心証が悪くなるかもしれませんが、間違った説明をしてしまうと後で取り返しがつかなくなります。
 
 

税理士には、良いことも都合の悪いことも話しておく


税理士は、調査中もそれらを頭の中で反芻させて、調査員との話の中で取りまとめていきます。
 
 

真面目な態度で


調査員は“質問検査権”(納税者に対して行使できる権利)という伝家の宝刀を持っているので、丁寧に受け答えをしたほうが良いです。
 
 

まとめ

相続税の調査は、亡くなった方のすべての税金を精算するという大切な役目もあるので、それだけ厳しくなるということは、調査をされる側も理解しておかねばなりません。
 
自分で相続税の申告を行った人は調査が行われやすい傾向にあると言えますし、脱税などの疑念がなくても、申告書の内容1つで調査に訪れる場合があります。心配しすぎず、税理士と事前の打ち合わせを行い、連携を取りながら平常心で乗り切りましょう。
 

編集部

本記事は相続税相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続税相談ナビに掲載される記事は税理士が執筆したものではありません。

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