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相続税コラム
2017.9.25

生命保険金の受取人の指定先によって異なる相続財産としての扱い

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生命保険は受取人を誰に指定するのかによって、相続財産としての取り扱いが異なります。保険金に対して税金が課せられるため、受取人は保険金が相続財産としてどのように扱われるのか気になるところです。

 

そこで今回の記事では、生命保険の相続財産上の扱いを説明した上で、受取人の指定先によって相続財産の扱いがどのように異なるのかを説明していきます。

 

 【目次】
生命保険金の相続財産上の扱い
みなし相続としてみなされる
遺産分割において特別受益としてみなされる可能性はある
受取人の指定先によって異なる生命保険金の相続財産
被相続人が被保険者であり受取人を指定しなかった場合
被相続人が被保険者であり受取人だった場合
被相続人が契約者であり被保険者でなかった場合
生命保険金に課せられる税金は受取人の指定先によって異なる
相続税が課せられる場合
生命保険の受取人を指定する上で知っておきたいこと
受取人は原則では二親等以内まで
受取人を複数人に指定することができる
受取人の変更方法
まとめ

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生命保険金の相続財産上の扱い

まず、最初に生命保険で支給される保険金は相続財産として、どのように扱われるのかを確認していきましょう。

 

みなし相続としてみなされる

生命保険の保険金は、被相続人の固有の財産ではなく、受取人の固有の財産として扱われるため、相続財産としてはみなされません。みなし相続としてはみなされるため、受取人は保険金に対して相続税を納める必要があります

 

遺産分割において特別受益としてみなされる可能性はある

また、相続財産としてみなされないために、保険金は遺産分割、遺留分の対象には含まれません。そのため保険金の受取人は、保険金とは別に、被相続人が残した財産を法定相続分だけ相続することができます。

 

しかし、それでは法定相続人の間で不公平が生じるため、不満に感じる人もいるでしょう。そこで、保険金が高額な場合に、受取人の法定相続分の財産の額を、保険金も含めて計算するべき(保険金を特別受益としてみなす)という考えがあります。

 

判例上では、特別受益としてみなさない傾向にありますが、保険金が高額な方は注意してください。

 

 

受取人の指定先によって異なる生命保険金の相続財産

生命保険を契約する際には、契約者、被保険者、受取人を決めなければなりません。契約者が、保険料を負担して、被保険者が亡くなった時に、受取人へ保険金が支払われるのが生命保険です。

 

生命保険の保険金は、相続財産に含まれないと説明しましたが、これは被相続人が被保険者であり、受取人が特定されている場合に限られています。そこで以下、被相続人と受取人の指定先によって、保険金の相続財産としての扱いがどのように変わるのかを確認していきましょう。

 

被相続人が被保険者であり受取人を指定しなかった場合

まず、被相続人が被保険者であるため、被相続人が死亡した段階で、保険金は支給されます。しかし、受取人が指定されていないため、保険金は被相続人の法定相続人が相続することになり、保険金は相続財産として見なされます。

 

被相続人が被保険者であり受取人だった場合

被相続人が被保険者であるため、被相続人が死亡すると保険金が発生しますが、同時に被相続人が受取人であるため、受取人は保険金を受け取ることができません。そのため保険金は、保険契約約款で指定された人が新たな受取人になります。

 

保険金は約款で指定された受取人の固有の財産になるため、この場合の保険金は相続財産には含まれません。反対に、約款で受取人が指定されていない場合は保険法46条に従うため、保険金を各法定相続人で均等に分割することになります。

 

法定相続分は関係なく、全員に同額の保険金が支給されるということです。この場合の保険金は、相続財産としてみなされます。

 

第46条  保険金受取人が保険事故の発生前に死亡したときは、その相続人の全員が保険金受取人となる。

引用:保険法 第46条

 

被相続人が契約者であり被保険者でなかった場合

生命保険の保険金は、被保険者が死亡した段階で支給されるため、被相続人が死亡しても保険金は発生しません。契約者が死亡した場合、生命保険の契約を解約することになりますが、今まで負担してきた保険料に応じて、解約返戻金を受け取ることができます。

 

しかし、返戻金を受け取ることができるのは契約者本人です。契約者は亡くなっているため、返戻金の請求権を法定相続人が相続することになります。返戻金の請求権は、相続財産に含まれます。

 

 

生命保険金に課せられる税金は受取人の指定先によって異なる

生命保険に相続税が課せられることを前提にお話しをしてきましたが、契約者、被保険者、受取人を誰に設定するのかによって税金の種類は変わります。保険金に課せられる税金は、相続税、所得税、贈与税が考えられますが、相続税が最も節税効果が高いと言われています。

 

以下、各々の税金が課される条件や、計算方法、計算の例を紹介していきます。

 

相続税が課せられる場合

まず、相続税が課されるのは、契約者と被保険者が同一の場合です。

 

  • 課税対象額=保険金の額-非課税枠(1)
  • 相続税=課税対象額×税率-控除額(2)

 

相続税の計算は上記の2式を元に算出しますが、生命保険に適用できる非課税枠は以下の3つになります。

 

  • 生命保険非課税枠:500万円×法定相続人の数
  • 基礎控除:3,000万円+600万円×法定相続人の数
  • 債務控除:葬儀費用+被相続人が生前に残した借金

 

では、ここで以下の条件を元に、相続税の計算を行っていきましょう。

 

  • 保険金:7,000万円
  • 法定相続人:3人
  • 総額保険料:5,000万円

 

非課税枠、課税対象額は、以下の通りになります。

 

非課税枠=500万円×3人+3,000万円+600万円×3人=6,800万円

課税対象額=7,000万円-6,800万円=200万円

 

No.4155 相続税の税率|相続税|国税庁」から相続税は以下の通りです。

 

相続税=1,800万円×15%-50万円=220万円

 

所得税が課せられる場合

所得税は、契約者と受取人が同一人物の場合になります。

 

  • 課税対象額=(保険金額-払込保険料-特別控除額50万円)×1/2・・・(1)
  • 所得税=課税対象額×税率-控除額・・・(2)

 

所得税は、上記の計算式によって算出しますが、上記の例を元に払込保険料を5,000万円とすると、課税対象額は以下の通りです。

 

(7,000万円-5,000万円-50万円)×1/2=975万円

 

No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁 」から所得税は以下の通りになります。

 

975万円×33%-153万6千円=1,681,500

 

贈与税が課される場合

贈与税が課せられるのは、契約者、被保険者、受取人のそれぞれが異なる時です。

 

{保険金-110万円(基礎控除額)}×税率-控除額

 

贈与税は上記の計算式によって求めますが、上記の例を元に贈与税を計算すると「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|贈与税|国税庁」から贈与税額は、以下の通りになります。

 

贈与税額= (7,000万円-110万円)×55%-400万円=3,389万5千円

 

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生命保険の受取人を指定する上で知っておきたいこと

これから生命保険を契約する方の中には、受取人を誰に指定するのか悩んでいる方もいるでしょう。

 

受取人は原則では二親等以内まで

生命保険を契約する方は、財産を残したい方を受取人に設定したいと思いますが、誰でも受取人に指定することができるわけではありません。受取人の指定先は、配偶者または二親等以内までの親族と制限がありますが、それ以外の人を受取人に指定する場合は、特別な事由が必要になります。

 

受取人を複数人に指定することができる

複数の子供がいる方は、それぞれの子供に財産を残したいと思うでしょう。そこで生命保険では、受取人を複数に指定することも可能です。各受取人の保険金の額を~%と指定することができます。

 

受取人の変更方法

契約中に保険金の受取人を変更したい方もいるでしょう。受取人の変更は、被保険者の許諾が必要になりますが、受取人の許諾は必要ありません。つまりは契約者と被保険者が同一の場合は、受取人を変える上で誰の許諾を得る必要がないということです。

 

また、遺言書で受取人の変更を指定することもできます。遺言書は、法的に正当な形式で記述しなければなりません。法律に詳しくない方には遺言書の作成は負担が大きいと思いますが、遺言書の書き方について知りたい方は、「遺言書の書き方と種類|遺言書について知っておくべき全知識」を参考にしてください。

 

また、個人で遺言書を作成するのが不安な方は、「厳選相続弁護士ナビ」から弁護士を探してみてはいかがでしょうか。

 

 

まとめ

受取人の指定先によって、生命保険で支給される保険金の相続財産としての扱いが変わることがわかりました。特定の人へ確実に資産を残したい方が、今回の記事を参考にしていただけたら幸いです。

 

また、保険金を受け取った方は、税金対策をしなければなりませんが、どのように対策したらいいかわからない方は税理士に相談してみましょう。

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編集部

本記事は相続税相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続税相談ナビに掲載される記事は税理士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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